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放射線安全管理上の注意事項「ゼヴァリン®によるRI標識抗体療法」の実施

患者さん・ご家族・介護者に対する放射線安全管理上の注意事項

イットリウム(90Y)からのベータ線は、体内では分布箇所を中心として平均5.3mmまでの範囲にしか影響を及ぼしません。従って、体内にあるイットリウム(90Y)からの放射線による、家族、介護者、一般公衆への影響は許容範囲内であり、放射線防護を目的とした入院は不要です。しかしながら、イットリウム(90Y)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)投与後3日間は、比較的高い線量が存在するため、周囲の方に対して長時間にわたる接触や近距離での接触を避けることや、血液や尿中からの放射線の防護について指導する必要があります。下記の説明事項一覧を参考にして、放射線防護について患者さんや家族へ十分説明して下さい。

[説明事項一覧]

患者さん、ご家族(介護の方)は、投与後3日間は以下の注意を守るようにして下さい

  • ・ご家族、配偶者の方、子ども、公共の場での長時間にわたる接触や近距離での接触をできるだけ避けるようにして下さい。
    ※特に子どもと接触したり、だっこしたりする際などは、握りこぶし1つ程度の間隔(10cm)をあけ、時間は1日30分程度にして下さい。
  • ・着用した衣類などの洗濯は、患者さん以外の人の衣類と別にして下さい。
  • ・患者さんの血液や尿が付着したシーツ類や下着類は、他の衣類とは区別して洗濯し、十分にすすいで下さい。
  • ・排尿・排便後や手に血液が付いた場合は、必ず手をよく洗って下さい。
  • ・男性は座位で(すわって)排尿するようにして下さい。
  • ・尿や血液がこぼれた場合には、トイレットペーパーできれいに拭き取り、トイレに流すようにして下さい。
  • ・使用後のトイレの洗浄は2回流すようにして下さい。
  • ・十分な水分を摂取するようにして下さい。
  • ・けがをした場合には、出血部位をきれいに拭き取り、洗い流すようにして下さい。
  • ・できるだけ毎日シャワーを浴びて下さい。なお、入浴する場合は、最後に1人で入浴し、入浴後は直ちに浴槽などを洗浄して下さい。
  • ・性交渉は控えて下さい。

医療従事者の放射線安全管理上の注意事項

医療従事者の方々は、放射線防護について患者さんご本人やご家族へ十分説明するとともに、医療機関としての安全管理を徹底して下さい。

緊急の医学的処置が必要な場合には、放射線防護に関するご遵守事項よりも、適切な医学的処置が優先されます。

標識調製手順、標識率の測定手順の詳細は、『ゼヴァリン®インジウム(111In)静注用セット、ゼヴァリン®イットリウム(90Y)静注用セットの標識調製手順書』及び添付文書をご確認下さい。

特に患者さんの介護に従事する方は、投与後3日間は以下の点に注意して下さい。

[医療従事者(特に介護者)の方々への注意事項]

  • ・患者さんの尿や糞便、又は血液に触れる可能性がある場合、また、これらで汚染された衣類などを取扱う場合には手袋を着用して下さい。
  • ・患者さんの排泄物や血液などに触れた場合や作業後は、よく手を洗って下さい。
  • ・患者さんの血液、排泄物で汚染された衣類は、他の衣類とは別に洗濯して下さい。

[医療従事者の方々への注意事項(調製時や投与時を中心に)]

  • ・患者さんに対して十分に説明を行って下さい。
  • ・放射性同位元素を扱うにあたっては、作業時間を短くする、距離をとる、遮へいなどにより被曝の軽減につとめて下さい。
  • ・作業衣や手袋を着用し、適切な遮へい器具を準備し、調製や投与を行って下さい。
  • ・汚染の生じるおそれのある部分は、あらかじめ吸水性のポリエチレンシートなどで被覆するなどの汚染に対する準備を行って下さい。
  • ・手や顔などの皮膚に付着した場合は直ちに拭き取り、流水で十分洗浄して下さい。 また、眼に入った場合も直ちに生理食塩液や流水で十分に洗眼して下さい。
  • ・インジウム(111In)からのガンマ線遮へいに関して、タングステンや鉛ガラス、鉛などの遮へい器具又は遮へい容器を使用して下さい。
  • ・イットリウム(90Y)からのベータ線遮へいに関しては、アクリルなどの遮へい器具又は遮へい容器を使用して下さい。
  • ・バイアルから注射器へ抜きとる際、適切な遮へい器具を注射筒につけて行って下さい。
  • ・バイアルの液量から計算で放射線量を求める場合には、製造業者がバイアルに表示した放射線量に対し必要な減衰補正を行って下さい。
  • ・注射液の投与量は、適切に校正された放射線測定器によって投与の直前に確認して下さい。
  • ・投与の際も、適切な遮へい器具を使用して下さい。
  • ・投与は血管外漏出を防ぐため、翼状針、留置針などで静脈を確保した後、緩徐に(10分かけて)静脈内に投与して下さい。この際インフュージョンポンプなどを用いることが推奨されます。その後、三方活栓を用いて同じ注射筒より生理食塩液で静注ラインをフラッシュして下さい。
  • ・作業後は、必ずガンマ線及びベータ線測定に対応したサーベイメータで周囲を測定し、汚染が無いことを確認して下さい。

インジウム(111In)体内残存放射能の経時的変化

イットリウム(90Y)体内残存放射能の経時的変化