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治療決定時の留意点「ゼヴァリン®によるRI標識抗体療法」の実施

「ゼヴァリン®によるRI標識抗体療法」は1回限りの治療法です。(国内にて再治療の有効性、安全性が確認されていないため)患者さんのPerformance Statusを考慮し、他の治療法も含め、患者さんにとって「ゼヴァリン®によるRI標識抗体療法」が最も適格であるかを慎重にご判断下さい。

「ゼヴァリン®によるRI標識抗体療法」に用いる放射性同位元素は、受注に応じてインジウム(111In)及びイットリウム(90Y)を同時に生産計画し、欧州より空輸されます。RI標識抗体療法を実施可能な法的な要件・設備・技術を有する医療機関は限られ、またインジウム(111In)及びイットリウム(90Y)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)の有効期間は製造日から約7日間と短く、国内に常時在庫することが困難な医薬品です。また、毎月の輸入日に応じて、治療の適格性の確認に用いるガンマ線源であるインジウム(111In)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)、治療用ベータ線源であるイットリウム(90Y)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)ともに、投与日の変更がほぼ不可能です。

「ゼヴァリン®によるRI標識抗体療法」の実施について、患者さんの治療意思を確認後にご発注下さいます様お願いします。

「ゼヴァリン®によるRI標識抗体療法」の適応の判定は、リツキシマブ(遺伝子組換え)、インジウム(111In)及びイットリウム(90Y)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)の添付文書記載内容をご参照の上、慎重に行って下さい。

「ゼヴァリン®によるRI標識抗体療法」の適応症

治療用ベータ線源となるイットリウム(90Y)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)の適応症は、CD20陽性の再発又は難治性の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫であり、これ以外のリンパ腫に対する有効性及び安全性は確認されておりません。またインジウム(111In)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)を用いた事前の生体内分布の確認により、不適格生体内分布が認められた場合は治療用ベータ線源であるイットリウム(90Y)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)の投与を行えません。

また、「ゼヴァリン®によるRI標識抗体療法」歴のある患者さん、及び、全身状態が低下した(EECOG Performance Status(PS)=2以上)患者さんに対する有効性及び安全性は国内臨床試験にて確認されておらず、また、国内初の新規治療法であることから、潜在的な毒性が発現する可能性があります。

説明・同意にあたっての留意点

説明・同意の前に、「ゼヴァリン®によるRI標識抗体療法」が適格な患者さんであるか、『「ゼヴァリン®によるRI標識抗体療法」の適応症』を参考に確認下さい。

説明・同意の項目は各医療機関にて定められた規定に基づき実施して下さい。

一般的には、病名や症状、治療内容、治療のリスクや副作用、有効性、必要な検査の目的及び内容、他の治療法、治療を受けなかった場合に予想される結果などや、医療費などのその他の項目が含まれます。また、治療の適格性の確認に用いるガンマ線源であるインジウム(111In)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)を投与し、不適格生体内分布が認められた場合は治療用ベータ線源であるイットリウム(90Y)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)の投与を行えないこと、放射線防護上の注意点、患者さんの治療意思を確認後にインジウム(111In)及びイットリウム(90Y)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)を発注することなどの「ゼヴァリン®によるRI標識抗体療法」の特殊性に関する説明・同意が必要となります。

「ゼヴァリン®によるRI標識抗体療法」の説明・同意の実施にあたり、
患者さんへの説明を補助する冊子『ゼヴァリン®ハンドブック』PDF『リンパ腫について』PDFをご利用下さい。

1.有効性や副作用の説明・同意

有効性や副作用については、当サイト及び『ゼヴァリン®ハンドブック』PDF『リンパ腫について』PDFを参考にして下さい。

2.治療内容の説明・同意

治療内容については当サイト及び『ゼヴァリン®ハンドブック』PDF『リンパ腫について』PDFを参考にして下さい。

インジウム(111In)及びイットリウム(90Y)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)を腫瘍細胞に効率的に集積させるためにリツキシマブ(遺伝子組換え)を前投与することや、治療の適格性の確認に用いるガンマ線源であるインジウム(111In)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)を投与し、不適格生体内分布が認められた場合は治療用ベータ線源であるイットリウム(90Y)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)の投与を行えない場合があることなど、「ゼヴァリン®によるRI標識抗体療法」の特殊性を加えてご説明下さい。なお、国内第II相試験における中央判定では約5%の患者さんに不適格生体分布が認められました。

3.治療のリスクの説明・同意

治療のリスクとして、当サイト及び『ゼヴァリン®ハンドブック』PDF『リンパ腫について』PDFを参考にして下さい。

「ゼヴァリン®によるRI標識抗体療法」の副作用や治療中、治療後の留意点に加え、生物由来製品、放射線の影響による生殖細胞障害の可能性、放射線の影響による急性骨髄性白血病、骨髄異型性症候群の発現の可能性、過敏反応、放射線安全管理上の注意事項など、「ゼヴァリン®によるRI標識抗体療法」の特殊性を加えてご説明下さい。

3-i 生物由来製品に該当
インジウム(111In)及びイットリウム(90Y)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)は、2002年に米国で承認されて以来、現在までに本品の投与により伝達性海綿状脳症(Transmissible Spongiform Encephalopathy: TSE)がヒトに伝播したとの報告はなく、安全性に対する影響は極めて限定的と考えられます。
3-ii 放射線の影響による生殖細胞障害の可能性
RI標識抗体療法では、理論上、放射線の影響による生殖細胞の障害の可能性があります。妊婦、産婦又は妊娠している可能性のある女性は投与禁忌、授乳婦では授乳の中止、妊娠する可能性のある女性患者及びパートナーが妊娠する可能性のある男性患者に投与する場合には、投与後12ヵ月間は避妊する必要があります。
3-iii 放射線の影響による急性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群の発現の可能性について
RI標識抗体療法では、放射線の影響による急性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群の発現が危惧されます。しかしながら、米国の試験における6.5年間の追跡調査の結果、発現率は5.2%であり、大量化学療法を実施していない場合の累積発現率(約4〜8%)や化学療法後の10年間の累積発現率(約5〜8%)とほぼ同等と考えられることより、「ゼヴァリン®によるRI標識抗体療法」によるリスクの増加はほとんどないと考えられます。1)

1)Armitage JO et al.: J Clin Oncol., 21(5),897-906(2003)

3-iv 過敏反応について
国内第Ⅰ相及び第Ⅱ相試験においてアナフィラキシー様症状、グレード3以上の肺障害、心障害は発現していませんが、リツキシマブ(遺伝子組換え)インジウム(111In)及びイットリウム(90Y)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)ともに過敏反応が発現する可能性があります。過敏反応を軽減させるために、リツキシマブ(遺伝子組換え)投与の30分前に解熱鎮痛剤、抗ヒスタミン剤等の前投与を行う必要があります。リツキシマブ(遺伝子組換え)の添付文書には過敏反応に関する重要な項目の記載がありますのでご参照下さい。また当サイト及び『ゼヴァリン®ハンドブック』PDF『リンパ腫について』PDFを参考にして下さい。
また、解熱鎮痛剤、抗ヒスタミン剤等の前投与を行った患者においても、重篤な過敏反応が発現する可能性があり、患者さんの状態を十分に観察する必要があります。
リツキシマブ(遺伝子組換え)、インジウム(111In)及びイットリウム(90Y)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)ともに、投与中は自他覚症状の観察を行うとともに、投与後も患者の状態を十分観察する必要があります。
リツキシマブ(遺伝子組換え)、インジウム(111In)及びイットリウム(90Y)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)ともに、過敏反応に対する救急医薬品を準備してから投与して下さい。
リツキシマブ(遺伝子組換え)の添付文書には過敏反応に関する重要な項目の記載がありますのでリツキシマブ(遺伝子組換え)添付文書も参照下さい。
3-v 重篤な皮膚障害について
国内第Ⅰ相及び第Ⅱ相試験において重篤な皮膚障害は発現していませんが,海外において、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、天疱瘡様症状(水疱性皮膚炎)及び紅皮症(剥脱性皮膚炎)の症例が報告されています。
紅斑、水疱、そう痒、粘膜疹などがあらわれた場合には、直ちに医療機関を受診する様、説明・同意が必要です。
「ゼヴァリン®によるRI標識抗体療法」に用いる一連の薬剤[解熱鎮痛剤、リツキシマブ(遺伝子組換え)、インジウム(111In)及びイットリウム(90Y)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)]の全てに重篤な皮膚障害の発現の報告があり、被疑薬の再投与は行えません。

4.「ゼヴァリン®によるRI標識抗体療法」 後に必要な検査の目的及び内容

血球減少は遅延性であり、約2ヵ月後に最低値となり、その後、1〜3週間で軽快します。そのため、血球数の最低値から回復傾向が認められるまでの間は頻回(一般に週1回以上)に、その後は検査値の推移や疾患の状態に応じて血液検査を行う必要があります。

当サイト及び『ゼヴァリン®ハンドブック』PDF『リンパ腫について』PDFを参考にして下さい。

5.放射線防護上の注意点

イットリウム(90Y)からのベータ線は、体内では分布箇所を中心として平均5.3mmまでの範囲にしか影響を及ぼしません。したがって、体内にあるイットリウム(90Y)からの放射線による、家族、介護者、一般公衆への影響は許容範囲内であり、放射線防護を目的とした入院は不要です。しかしながら、イットリウム(90Y)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)投与後3日間は、比較的高い線量が存在するため、周囲の方に対して長時間にわたる接触や近距離での接触を避けることや、血液や尿中の放射線防護について指導する必要があります。患者さんや周囲の方が放射線防護上注意すべき点など、「ゼヴァリン®によるRI標識抗体療法」の特殊性を加えてご説明下さい。

当サイト及び『ゼヴァリン®ハンドブック』PDF『リンパ腫について』PDFを参考にして下さい。

6.患者さんの治療意思の確認

低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫の種々の治療法について総合的な説明を行う際に、インジウム(111In)及びイットリウム(90Y)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)の有効性・安全性が確認されているECOG Performance Status(PS)=0-1の患者さんに推奨されること、インジウム(111In)及びイットリウム(90Y)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)の流通方法の特殊性についてもご説明頂く必要があります。

「ゼヴァリン®によるRI標識抗体療法」は、従来の化学療法や抗体療法に比し、治療回数が少なく、悪心・嘔吐、脱毛、心毒性が比較的軽度で発現頻度も少なく、治療効果は同等以上ですが、PS=2以上の患者さんに対するイットリウム(90Y)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)の有効性及び安全性は国内臨床試験において確認されておらず、また、国内初の新規治療法であることから潜在的な毒性発現が危惧されるため、PS=0-1の患者さんの治療法として推奨されます。また、「ゼヴァリン®によるRI標識抗体療法」 に用いる放射性同位元素は、受注に応じて患者さん個人用にインジウム(111In)及びイットリウム(90Y)を同時に生産計画し、欧州より空輸されます。RI標識抗体療法を実施可能な法的な要件・設備・技術を有する医療機関は限られ、またインジウム(111In)及びイットリウム(90Y)の有効期間は製造日から約7日間と短く、国内に常時在庫することが困難な医薬品です。また、毎月の輸入日に応じて、治療の適格性の確認に用いるガンマ線源であるインジウム(111In)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)、治療用ベータ線源であるイットリウム(90Y)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)ともに、投与日の変更がほぼ不可能です。

この様な理由により、患者さんの治療意思を確認後にインジウム(111In)及びイットリウム(90Y)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)を発注することなどの説明・同意が必要です。